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コンパクトスタイル Wallis キャスト

 振り幅の少ない「コンパクトスタイル」の方法論

このスタイルは軽量仕掛けやスペースがない時に 向いている方法で、精度も上がり腕の疲労も少ない。一方で、サイドスタイルで構造を理解しないままこのスタイルに慣れてしまうときちんとキャストの理論を 理解しないままなんとなく投げているといったことになりかねないので注意したい。

【サイドスタイルとの違い】

サイドスタイルでは竿と垂らしの長さで時に5~6m以上のスペースが必要になる。そんなスペースがなく後方で仕掛けを展開させられない状況や、軽量仕掛けで振り幅が少ない方が飛ぶ場合に向いている。

 ※注)原則的に、wallis castでは軽量仕掛けほど振り幅が少なく鋭いキャストが求められ、重い仕掛けほど大きな不利幅でゆっくりとしたキャストが適する。これは重い錘ほど慣性力が大きく動かすのに幅と時間が必要になる為である。

錘をほぼ静止させ吊るしたような状況から一気に斜め上方向へのサイドの振りで投げる。極端な例では自分の胸辺りで錘を吊るしアンダーハンド風にキャストすることで左に全くスペースがない状況でもキャストが可能になる。

【スタンス、構え】

このスタイルではスタンスはやや左程度(真正面を0度として-45度程度)に向き仕掛けは幾らか後ろ静止させたところから一気に振りに行き、サイドスタイルの様な竿と仕掛けが同じ高さになるような浮かせ方はしない。ほとんど竿から真下に吊下げた状態で投げ始めても構わないが、静かにやや後方で静止させるほうが振り幅を少しでも取れるので投げ易くなる。ここでサイドスタイルのように勢いをつけて後方に浮かせると、振りに行く際に仕掛けの戻りが混ざりタイミングによってはキャストが乱れたりバックラッシュに繋がるので、あくまでもやや後方で静止させるという形で行った方が良い。静止させる時リールはサイドスタイルのように寝かせずスプールが川に正対している状態のままである。タラシは錘がリールより20cm程度上でセットし、竿をやや向こう側に傾けて吊るした際に錘がリールの高さに来るようにする。脇は閉め、錘は胸かやや下あたりの高さで吊るし後方へ少し振り子し静止させる。スペースが許す限り自分の体よりもやや後ろくらいまで持って行った方が投げ易い。また、注意したいのはリール以下リアグリップをきちんと腕に添わせておく。これがずれていたりすると手首だけで投げることになり飛びが悪いだけでなく手首を痛めることにもなる。14ftのロッドを片手でバックハンドで投げるのでこういったところも注意したい。

センターピンリール

【キャスト】

後述の通り風や仕掛けの重さにもよるが基本はやや上方向のベクトルを持たせたバックハンドで、ストロークの短い振りで一気にシャープに振ると同時に後に手を突き出す程度のしっかりしたプルを行う。両者は50対50の力で、‐90度~-60度程度迄の最初の狭い範囲で一気に行う。あくまでバックハンドなのでリールは当初構えでは川に正対しているがキャストでは最初から寝かせるイメージで行う。穂先の動きとしてはやや下がり前方へスライドする動きになるが、キャストの最初に意識的に穂先を下げることはしない。結果論としてサイド気味に投げようとすれば自ずから穂先は最初下がるだけである。理由は、穂先を下げる動作が意識的だとこの動作の速度が遅くなりがちで仕掛けが落下することで糸に緩みが出やすい。感覚的には静止状態から穂先は下げずにそのまま斜め上のサイドで投げるような感覚で良い。この方が緩みの無い動きになる。なお、斜め上の角度については適宜調整すべきである。角度を強くして上方向のベクトルを強めれば追い風向き、重量仕掛け向きになる。逆に向かい風や軽量仕掛けでは角度をあまり付けずに弾道を低く抑えたまま投げる。この投げ分けの理由は、前者では軽量仕掛けや向かい風の場合仕掛けが空気抵抗で着水前に失速しバックラッシュの原因になることである。

【精度】

引っ掛けて右へ行く場合は振りとプルが早い段階(最初のー90~-60°)でシャープにできていない。間違いがちだが、プルはバックキャストの結果引っ張られるのではなく、自分で左手でしっかり後方へ突き出すように能動的に行わないといけない。つまり振りは両手を広げる様な形になるのである。なお最大飛距離を求めるならば若干右へ行くのはむしろ理想的である。(スタンスからして真正面は行きにくい。真正面で最大飛距離を求める場合はスタンスで完全に左を向くと良い)

【ロッドの持ち方とガイディング】

振りをしっかりするためにグリップは人差し指をブランクスに乗せるスタイルで投げると良い。中指はフォアグリップにかかり3つの指で握る。なお軽量仕掛けの場合左手のガイディングはあまりリールに収束させずに最後まで距離を保っていた方がバックラッシュ防止の観点から好ましい(ガンダマ1つの様な仕掛けでは特に)。また着水前に徐々にドラグをかけるのも軽量仕掛けでは有効。

【バックラッシュ対策】

完全なバックハンドサイドキャストのwallisと比べてコンパクトスタイルは以下の要素によりバックラッシュが起こり易い。

1.穂先を一旦下げる際にラインが緩みやすい

2.振り幅が少なく一気に振る必要がある為タイミング等がぶれやすい

3.同じく竿の軌道などもぶれやすい

4.完全なサイドのように平面で投げるのではなく軌道が斜め上になるのでリールからラインがこぼれやすい

対策としては以下の様な注意点がある

1→静止させる際ややしっかり後方、高めで浮かせる(スイングはさせない)

2→構造上やむを得ない。練習あるのみ

3→構えでは脇を閉め振り始めでぶれないように注意する(最終的に腕は突き出すが最初のブレが問題になり易いため)リール~肘を軸にしてしっかり保持しティップで仕掛けをはじくようにキャストする。

4→あまり急角度をつけずサイド気味に投げる、アンダーハンド的に投げる場合は8割程度の力で投げる

追加として着水前にフェザリングを行うのももちろん有効。

【フェザリングの実際】

軽量仕掛けであれば着水前のフェザリングが必須になる。

具体例として

ノーシンカー仕掛け→プルの時もややフェザリングあるいはプルを弱めにしてその後ずっとフェザリング

4Bガンダマ→プルの時のみフリーでその後即フェザリングを掛けて着水までキープ

4Bガンダマ2個→着水寸前、仕掛けが減速したなという時にフェザリングを開始し着水までキープ

4Bガンダマ3個以上→着水その時までフェザリングはしない(※向かい風で仕掛けが減速した際は着水前でもフェザリングを行う)

大きなウキなどを高い弾道で投げる際→落下前に減速するタイミングがあるのでここからフェザリング

このような感覚で個人的には行っているが、アングラーの好みで適宜調整して頂きたい。重要な点は、基本的に軽量仕掛けでもプルはしっかり、スプールフリーの状態で行い、バックラッシュ対策はその後のフェザリングで行うという事。よほどの軽量仕掛けでない限り飛距離確保のためこの原則は守られるべきである。

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