餌の入手が容易なデッドベイトでの釣り
泳がせ釣りは大変優れた釣法で、釣果も上がりやすい釣りではある一方、餌が釣れない時には釣り自体が成立しないという難点がある。勿論活きアジを購入するという手もあるがコストもかかる。それに比べて死に餌、デッドベイトならばアジであろうが鰯であろうがスーパーなどで極めて安価で入手できるというメリットがある。また、現地では調達できない種類の魚や、生き餌としては弱り易く使いにくいが総じて食いは良い魚(例えばキビナゴやカタクチイワシなど)を餌として用いることもできる。
デッドベイトは釣れない?
デッドベイトは釣れないという考えの方は多いだろう。とりわけ、ブッコミ釣りではデッドベイトを付けておいてもなかなか好釣果を得ることは(生き餌に比べて)難しい。どうしても動かないため、例えば回遊魚やスズキのように動くものに反応するタイプの肉食魚には向かないのである。一方、底棲性の肉食魚、普段から死に餌も食べる様な魚はデッドベイトでも釣れる。しかし、こういった魚は概してサメであったりウツボであったりとあまり好まれる種が多くない。唯一根魚類はデッドベイトで釣れやすい好ターゲットだ。また、夜釣りではハマフエフキやシブダイなどターゲットの幅も広がる。然し総体的には泳がせが万能選手なのに対しデッドベイトはターゲットが限られやすい。結果的に、生き餌の泳がせが高評価を受ける一方でデッドベイトの釣りはいま一つ…という印象になり易い。


デッドベイトをライブベイトに
しかし一定以上の流れのある場所ではデッドベイトもライブベイトになり得る。それが次に紹介するデッドベイトの完全フカセやウキをつけたフロートフィッシングである。
流れに乗せてふわふわと水中を漂わせ、時にアクションをつけてやれば、デッドベイトであっても(瀕死の)ライブベイトを演出することは可能だ。潮の流れの強い場所なら完全フカセ、緩い場所はフロートフィッシングと使い分けるのが良いだろう。
エサは大きく分けて2つのタイプがある。1つはアジやイワシ、キビナゴ等小魚を丸々用いるもの。もうひとつはサンマやカツオの切り身など大型魚の切り身。ライブベイトを演出する以上基本的には前者をお勧めする。ターゲットは、泳がせ釣り同様のターゲットが狙える。なお、餌のサイズは大きいほど扱いやすい(流れを受けやすい、遠投しやすい)。
完全フカセとフロートフィッシング、2つのデッドベイトの手法について、次に詳しく解説したい。