延べ竿大物釣りの世界
大物をのべ竿で釣るということ
のべ竿とは、本来一本の節から成る竿を意味するものですが現在ではリールを用いない竿一般を指すものとして用いられています。本流竿を始め、渓流竿、へら竿、鮎竿、タナゴ竿…これらの殆どはのべ竿ですが、釣る魚の大きさはかなりの幅があります。
今までのべ竿の釣りでは、50cmを越えるような魚がターゲットとしてみなされることは希でした。昨今のカーボンの強度向上に伴い、メータークラスの魚がのべ竿で上げられるようになった今、釣り場の区分としての渓流竿の渓流釣り、本流竿の本流釣り、そして鯉竿やヘラ竿での下流域の釣りといったような区分よりも、のべ竿で大物を釣るという釣りのカテゴリーが意識されてしかるべき状況にあると言えます。


例えば鮭釣りは本流釣りの一つとしてカテゴライズされるものである一方、ヤマメの本流釣りとはやり取りなど多くがかなり異なるものであると言えます。仕掛けのセッティングにしても、80cm近い魚を相手にする釣りにはそれなりの配慮が求められます。大物釣りを従来ののべ竿の対象魚の延長線上にいつまでも置いていると、本当のモンスターが来た時に対応できないことも考えられます。
最近では海や湖沼、下流でのあらゆる大物に延べ竿で挑む釣りが人気を高めてきており、各社からも境界横断的な大物用延べ竿がリリースされてきています。これは、「大物に延べ竿で挑む」スリリングな魅力がようやく認知されてきたことの証ではないでしょうか。そしてこういった釣りのやり取りは、片手持ちの渓流竿でヤマメを釣るときのそれとはまったくもって一線を画すものです。
対象魚やフィールドを限定しない、のべ竿での大物釣り、という視点から、少し考えてみたいことをここではご紹介いたします。