フロートフィッシングにまつわる雑多なTips

 フロートフィッシングを行うに当たって、アングラーが陥り易い悩みや落とし穴が存在する。非常に難解なものから、ちょっとしたコツで解決できるものまで様々だが、フロートフィッシングが普及していない日本において、その解決策を探るのはなかなか骨の折れることでもある。ここではフロートフィッシングにまつわるちょっとしたTipsや、こんな場合はどうしたら良いのかといったケーススタディについて紹介する。

鯉釣り
鯉釣り

ウキよ寄ってくるな!

 ウキが手前に寄ってきて困る、というケースにはいくつか対処法がある。

1.ドラグをかけずに引き摺り流し、ウキ先行で流す…最も効果的だが流速のある場所では遅く流したいものだ

2.自分がウェーディングをする…これも最も効果的だが場所によってはできないことも

3.川の蛇行を読み最も突き出た場所を釣り位置にする…根本的に重要だが常にそう言った場所で釣れるとも限らない

以下はドラグを掛けた流しでの、より実際的な手法

4.大仕掛けでより遠投する

5.大仕掛けに伴う大きなウキ(と仕掛け)の慣性力を利用する…小さなウキや仕掛けは少しの力でブレやすい。磯釣りでも潮の流れをつかむにはある程度の体積のウキや水中ウキが必要とされる。

6.風があるならば竿先を寝かせラインを沈めてみる…フロートフィッシングでは基本的にウキから竿先までのラインは水面から離すのが原則だが、意外とこの間のラインに風があたりウキを引っ張っていることがある。その場合はヘラ釣りのように竿先を少し沈めながら流すと改善されることも。ただしこれは向かい風など悪条件下のみで有効なだけで、基本的に無風でラインを水面から離している方がウキは手前に寄ってこないのは言うまでもない。

ラインよなぜ偏る?

 これはセンターピンリールに関しての問題である。センターピンリールを使っていく中で、ラインが片方に偏って来た、ということは多いだろう。レベルワインダーが無い分当然である。特に右方向へ流していると抵抗により巻取る際もラインが右により、左なら左…となることが多い。偏ったラインはキャスト時にバラけ、バックラッシュの原因になる。従って、巻取りの際は少し指で調整する、敢えてリールを傾けて巻き取る等配慮が必要だ。こういった配慮が面倒、という場合は、そもそもラインをあまり多く巻かないこと。80m~100m程度しか巻かなければさほど偏りは気にならないだろう。

センターピンリール
センターピンリールとc10フロートで釣り上げられた鯉

ウキが滑る

 ドラグドリフトで遊動式ウキは徐々にウキ止めからウキが下へ滑って行き使い物にならないことがある。これはドラグをかなり掛けている場合、水面の流れでウキが下流へ流され、どんどんウキ止めより浅い所へ行き、結果ウキが仕掛けの吹きあがり、というよりも仕掛け全体を持ちあげているような状態になるからである。従って、ドラグドリフトを行う場合は固定式のウキが基本。遊動は少しドラグをかける位はよいが基本はフリーで流すか引き摺り流しに用いる。

同じ遊動でも、ウキが滑り易い仕掛けとそうでない仕掛けがあることにも触れておきたい。シャツボタンスタイルの錘打ちで、ウキから仕掛けが真下に降りているような場合は多少ドラグを掛けてもウキと仕掛けの角度がある為ウキが滑りにくい。一方まとめ打ちでウキの下がほとんど錘の負荷が無い場合はドラグをかければすぐにここにC字オバセが出てウキが滑って行く。従って重めのシャツボタンスタイルが遊動でドラグをかける際には適していると言えるが、無論それでも固定式には到底及ばない。

固定仕掛けの場合は例えば14ftのロッドを使ったとしても大凡水深は3m程度のところまでしか攻めることは難しい。ウキ下を1.5倍とり、さらにウキは穂先の直近では投げにくいからやや垂らさないといけないからだ。固定式の最大の弱点だが、しかしドラグをしっかりかけなければならない様な急流で水深が4mも5mもあるような川はあまりないだろう。

どうしても4m以上の深場で固定式を行う場合は、ドラグを掛けても吹き上がりにくようなかなり重めのまとめ打ち+シャツボタンで臨み、ウキ下と水深をほぼ同じにしてしまう。

エサよ底にいるか?

 底を取れているのか分からない、ということは多いだろう。間違いなく底を取れているか判断する方法は引き摺り流しをすれば一目瞭然である。ウキが下流を向いて震えながら流れていれば底を取れている。したがってドラグドリフトをする場合も一度引き摺り流しをしてみてタナを確認するのは有効だ。しかし、最初の一投が最もチャンスのあるものであるという考えでは、こういった試しのドリフトは行いにくいだろう。

まとめ打ちあるいは中通し錘で、ドラグドリフトで流して行くならば、近距離なら錘が底を叩くのが手感で分かるかもしれない。しかし、ラインを出せば出すほど、これは困難になる。

ドラグドリフトで、なおかつ錘をシャツボタンスタイルで打っている場合、錘が底を叩く感覚を手で感じるのは困難だ。ウキも、斜めになっているので判断材料にはならない。従って、確実に底を取れているかという確証を得ることは、事実上困難である。

実際問題、底をなめるようなドリフトはドラグドリフト+シャツボタンでは難しい。ある程度、底から数十センチの範囲を許容するならば、底取りは推測によって実現される。どの程度のガンダマで、どの程度の水深とどの程度の流速ならばどの程度吹きあがるのか、経験によってそのデータを積み上げる。透明度の高い川等で、ガンダマに色を付けドラグをかけながら流す等して実験をするのも良い。

  とはいえ、水深が深い場合は予想以上に吹きあがりがあることがあるので、実際問題としては水深の中層、と思しき所に間違いなくずどんと沈む大錘を打ち、そ こからシャツボタンのガンダマ打ちを始める。大錘は絶対に底を叩かないレベルに打つ。これにより、極端に仕掛けが表層まで吹きあがるということは回避でき る。後は、流すスピードを変えることで吹きあがりを上下させ、くまなく探る。ストップさせれば仕掛けが上がり、緩めれば下がる。ただ、ずっとストップして いると、だんだんと下がっても行く。最も、ウキも手前によって来るが。

ミラーカープ
カワムツとセンターピンリール

ネガカリ王

 ネガカリが多すぎる、という場合、いくつかの対処法がある。まずはドラグドリフトにすること。流すスピードを遅くする。それでもだめなら最も下のガンダマを軽くする、あるいは上へずらす。タナ自体を浅くするのは最終手段だ。これは底を取れなくする可能性があるからだ。吹きあがりの状態で流して行っても底が取れないのは同じじゃないかと言われそうだが、吹きあがりの程度はスピードの変化で変えられるがタナ自体を浅くした場合どうあがいても届かない深さが出て来る。

極端な話、ハリス部分を長く取ってウキ下が水深の3倍以上、これでドラグをかけて流す、これでも構わない。かなり寝かせた流しになるだろうが、水深の浅いところではこのような流しも十分ありである。

またこういった流しの場合はハリスには必ずフロロカーボンを使う。流れがさほどでもないところでは、フロロの重さだけでハリスを沈める様な攻略だと最もネガカリが少ない。

とにかく、ネガカリが多いからといってすぐにタナを浅くしないこと。針から最初の錘までの距離を空けることがまず第一に行うべきことなのだ。

PEラインとフロートロッド、センターピンリール

フロートロッドは往々にして足が高く小さなガイドが付いており、PEラインとは正直あまり相性が良くない。比較的大きな、例えば6mmか8mmサイズのリングのついたトップガイドから始まるようなロッドで、なおかつさほどハイフレームでないならば、PEも問題なく使用できる。ただ、センターピンリールを用いるならば、充分に慣れない限りwallisキャストはPEラインではバックラッシュの危険性が高まるので、フルキャストはやめておいた方が良い。重めのリグで軽くキャストするならば良いだろう。一度キャストさえすれば、軽いPEはラインメンディングなどではむしろ有利な部分もある。感度の面では非常に優れており、ドラグを掛けた流しならば有効性が見出せる。なお、錘を打つ中間ライン、ハリスは必ずフロロカーボンまたはナイロンとするのは言うまでもない。やりとりでは、PEは伸びが無くあまり硬いロッドだとはじいてしまう部分があるが、フロートロッドではその心配はあまりないだろう。ただ非コーティング系のPEは腰が無くひょうんなことでラインがリールハンドルに絡まったりトラブルの元になるので、注意したい、やり取り中にそのようなことになるとまず間違いなくラインブレイクとなる。

FLOATANIA 14ft 5pcフロートロッド

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